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DATE: CATEGORY: 第二部:戦う理由
 おはようございます、すいもうです。さて、早速続きをUPします。では、お黄泉ください。


 第二部:戦う理由 第五十七話「帰還」

 ――それは序章。大いなる戦乱の幕開けだった。健やかな寝息を立てる少女。妻によく似ていた。それは外見だけではなく、中身までもが似ていた。まるで、実の娘にようだ。そう思いながら、私は帝国への帰還を果たしたのだった……。

 皇国ミッドチルダと帝国ベルカの国境のある山中。細長くくねり曲がった峠道をパルマは一人の少女を──テスタロッサ家次女フェイトを背負いながら、進んでいた。前方と後方には暗殺や諜報を主な任務とする部隊の手練れ二十人が固めている。
 本来なら、フェイトを背負うのはその者たちに任せれば良かった。事実、部隊の者たちも自分たちが背負うと言ってきた。
 しかし、その提案には頷かず、自らフェイトを背負い、峠道を歩くことにした。なぜ、頷かなかったのかは自分でもよくわからなかった。ただ、他の者がフェイトに触れるのが我慢ならなかった。
 だからと言って、フェイトに恋をしているわけではない。いくら、カトレイアに。死んだ妻に似ているとはいえ、そういう感情を妻以外に向けようとは思わなかった。
 なら、この感情はなんなのだろう。カトレイアに向けていたものとは違う。背中で眠っている少女が愛おしかった。いつまでも、見守っていたいと思う、この気持ちはなんなのだろう。性別を超えた友情か恋慕の念。パルマが知っている男が女に抱く気持ちはその二つだけだった。
 そして、フェイトに抱く気持ちはそれら二つとは異なる正体のわからない感情だった。そのわからない感情をパルマはフェイトとはじめて会ったときから、感じていた。同時に困惑していた。感情の正体がまったくと言っていいほどにわからなかったからだ。
 だからかもしれない。一昨日の夜、フェイトにやや強引に連れて行かれた宿屋を営む老夫婦との見送りの会話をするまで、フェイトがテスタロッサ家のものだと断定することができなかったのは。
 あらかじめ聖王陛下から渡された書類には目的の人物の──フェイトの容姿についての詳細が書かれていた。部隊の者と合流したあと、確認をしてみれば、書類にはフェイトそのものの詳細が書かれていた。
 ここまでの詳細を書かれていたのに、どうして、断定しなかったのだろう。パルマはフェイトを昨日拉致してから、そのことをずっと考え続けてきた。
 だが、いくら考えても、答えは出なかった。ただ、考えるたびに、なぜかフェイトの笑顔が思い浮かんだ。それは死んだカトレイアとうり二つだった。いや、笑顔だけではない。フェイトはなにからなにまでもが、カトレイアに似ていた。まるで、母娘のように。
 そこまで考えて、パルマは気づいた。フェイトに抱く感情の正体がなんなのかを。それは愛情だった。ただし、自分の最愛の人に向けるものではなく、親が子に向ける。いわば親子の情。それをフェイトに向けていることにパルマは気づいた。
 同時に、苦笑いを浮かべた。フェイトと自分は娘どころか、孫ほどに年が離れている。それでも、自分はこの少女を娘に──カトレイアとの間に産まれた子供だと思ってしまっていた。
 そんなことはありえないとわかっていた。だけど、それでも、フェイトに向ける気持ちは自分の子供に向ける愛情としか思えなかった。
 それならば、自分がフェイトをテスタロッサ家のものだと断定することができなかったことにも説明がついた。そもそも、フェイトを攫うように命じられたのはフェイトの持つ力「マリオネット」を聖王陛下が欲されたからだった。
 いわば、聖王陛下にとって、フェイトは実験動物のようなものなのだ。フェイトをテスタロッサ家の者だと断定したら、どんな手段を用いても攫わなければならない。そして、攫えば、フェイトがどういう目に遭うのか。パルマには痛いほどによくわかっていた。
 だから、自分はフェイトをフェイト・テスタロッサと断定しようとしなかった。カトレイアと自分の子供のように思える少女を辛い目に遭わせたくなかったのだ。
 しかし、遅かった。いまさら、そのことを理解してももうどうしようもないのだ。今自分にできることがあるとすれば、せめてフェイトの心身に掛かるだろう負担をできるだけ最小のものにしてくださるように聖王陛下に願い出るほかになかった。
「弱いな、私も」
 ぽつりと呟きながら、先導の十人の後に続いていく。やがて、ベルカとの国境にたどり着いた。ここまで来れば、もう自分たちを追ってくることはできない。それはつまり、これからフェイトには実験動物と同じ扱いをされることになるということだった。
 パルマはわき起こる感情を無理矢理抑えつけながら低い声で呟いた。
「任務、完了」
 ざわつく心のまま、パルマはベルカの領土へと脚を踏み入れたのだった……。

           つづく

 はい、以上です。さぁて、次回はプレシアママン視点になります。どういう風になるかは、次回にて。というところで今日はこの辺で。では、また。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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