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DATE: CATEGORY: 第二部:戦う理由
 おはようございます、すいもうです。さぁて、今日は急展開です。では、お黄泉ください。


 第二部:戦う理由 第五十六話「遠い記憶」

 ――それは序章。大いなる戦乱の幕開けだった。遠のく意識の中、私は目の前にいる人を見つめた。仮面を付けているから、確認することはできない。だけど、私にはパルマさんが苦しんでいることがなんとなくだけど、わかりました……。

「それじゃ、行ってきます。おばあちゃん」
「あいよ、気を付けるんだよ、フェイト」
「うん」
 朝ご飯を食べ終えると、私はパルマさんと一緒に宿を出ました。すると、おじいちゃんとおばあちゃんは見送りに来てくれました。
 私はおばあちゃんに。パルマさんはおじいちゃんとお話をしていました。
「ご亭主、昨日は夜分に押しかけて申し訳ありませんでした」
「いやいや、せっかくのお客さんなのだから、かまいませんよ。そもそも、あなたはフェイトが連れ来てくれたお客さんだ。無碍にすることなどできませんよ」
「かたじけない」
「いえいえ、お気になさらずに」
 パルマさんとおじいちゃんは交互に頭を下げていました。ちょっとおかしくて、密かに笑いながら、私は二人を見つめていました。しばらくして、パルマさんはおじいちゃんとのお話を終えたのでしょう、ていねいにお辞儀をしてから、私のそばに来てくれました。
「お待たせしたかな?」
「いえ、少しも」
「そうか。では、参ろうか、フェイト殿」
「はい」
 手を差し出す。すると、パルマさんは首を傾げました。
「フェイト殿、その手はいったい」
「手を繋ごうと思ったんですけど?」
「手を?」
「はい。ダメですか?」
「いや、悪くはないな。カトレイアが死んで以来だから、緊張して、汗ばむかもしれぬが、そこは気にしないでくれると助かる」
 パルマさんは差し出した私の手を取り、握ってくれました。それと同時におばあちゃんがパルマさんに声をかけました。
「おや? パルマさん、あんたの奥さんもカトレイアなのかい? カトレイア様と同じで」
「……ああ。だが、よくある名ではあるがな」
「そうさね。しかし、カトレイア様かぁ……懐かしいねぇ」
 遠い目をするおばあちゃん。同じようにおじいちゃんも遠くを見つめていました。
「ねぇ、おばあちゃん。「カトレイア様」って誰のこと?」
「うん? ああ、そうか。フェイトは知らないのか。まぁ、それも当然かな?」
「当然?」
「ああ。カトレイア様はプレシア様の叔母上様──先代当主様の妹君にあらせられた方さ」
「私のおばあちゃんの妹さん?」
「ああ、そうさ」
「でも、私おばあちゃんに妹さんがいたなんて母さんから聞いたことないよ?」
「まぁ、それには理由があってね」
「理由?」
「ああ。それは──」
「フェイト殿」
「あ、はい」
「部下をいつまでも待たすには悪い。なので、そろそろ案内してくれぬか?」
「あ、そうですね。わかりました。それじゃあ、おばあちゃん、おじいちゃん。ありがとう。また後でね」
 おじいちゃんとおばあちゃんにお見送りのお礼を言ってから、私はパルマさんと一緒に宿屋を後にしました。それと同時に、パルマさんが黙り込んでしまいました。たまに話しかけると二、三言は返してくれますが、口を開いてくれるのはそれだけで、あとはずっと黙って、なにかを考えているようでした。
 なにか気に障ることでもしちゃったのかな。そう思いながら、隣を歩くパルマさんを横目で見つめていく。すると、パルマさんが溜め息を吐かれました。
「フェイト殿。すまぬな」
「え?」
「フェイト殿が悪いわけではない。ただ、妻のことを思い出したら、つい、な」
 そこで、パルマさんは口を閉ざされました。そして、その言葉で私もまた口を閉ざしました。パルマさんのことをなにも考えていなかった、と思わざるを得なかった。亡くなった奥さんと同じ名前。「カトレイア」という名前をパルマさんの前で何度も口にしていた。
 その名をパルマさんはどんな気持ちで聞いていたのか。私にはわかりません。だから、パルマさんになんて声を掛けて良いのか。わからなかった。それはパルマさんも同じなのか。パルマさんもまたなにも仰ることもなく、黙々と歩いていました。
 気まずい空気が漂い始めるのがわかった。でも、それをどうすることもできずに、時間と距離が重ねられていきました。
 やがて、四刻(約二時間)が経ち、目的の公園が見えてきた頃、パルマさんが立ち止まりました。
「フェイト殿。一つ確認したいことがある」
「なんですか?」
「あなたは先ほど、先代当主をおばあちゃんと呼んだ。それはつまり、あなたはテスタロッサの血筋のもの──プレシア・テスタロッサの娘ということで間違いはないか?」
「はい。私は現当主プレシアの次女です」
「そうか……これも、運命なのだろうな」
「え?」
「すまぬ。フェイト殿」
 パルマさんはそう言って、握っていてくれた手を離されました。そして、右手の人差し指と中指を鳴らしました。とたん、どこからともなく、周囲を黒い服を身に着けた人たちが現れ、私たちを囲んでしまいました。
「やれ」
 パルマさんの低い声。それを合図に黒い服の人たちの一人が私の背中に回り、羽交い締めにしました。困惑した。自分がどういう状況に陥りつつあるのかがまったくわからなかった。
 だけど、黒服の人たちは私の困惑にかまうこともせず、私を羽交い締めにしている人とは別の人が私の前に出て、懐から白い布を取り出し、それで私の口元を抑えつけました。すると、いきなり意識が遠のいていくのがわかりました。
「その布には特殊な薬をしみこませてある。なに、命に別状はない。ただ、帝国ベルカの領地に着くまでは目を覚ますことはないがな」
 聞こえてくる声。それはパルマさんのものでした。でも、声の主が誰なのかがわかっていても、今の私にはどうすることもできませんでした。
「……フェイト殿。恨むなら、私を──帝国ベルカ軍元帥パルマ・クライスト・ベルカを恨むのだ。決して他の者を恨まないでやってくれ」
「ぱる、ま……さん」
 押しつけられていた布がなくなる。だけど、私の体は私のいうことを一切聞いてはくれずに、前のめりになって地面にと倒れ込んでいったのでした……。

   つづく

 はい、以上です。あと、四話で第二部終了です。次はどんな章になるかはそのときのお楽しみということで。というところで今日はこの辺で。では、また。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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