こんにちは、すいもうです。さて、新年早々アクションっぽいです。ええ、でも、あくまでも「っぽい」だけですので。では、お黄泉ください。
第一部:堕ちた蒼 第一話「紅き死神」
――それは蒼の瞳。強い憤怒と深い殺意の篭もった冷たい蒼の瞳だった。紅い鎧の騎兵。自らの手足のような彼らを動かしながら、私は戦場を駆ける。たとえ、これが初めての戦場だったとしても……。
皇国歴二百九十四年四月。まだ少しだけ肌寒く、だが、全体的には暖かい。そんな気候の中。アルトセイムから西に百里(約五十キロ)ほどの地点に盗賊たちの姿があった。
その盗賊たちは、まるで戦に負けた敗残兵のようなボロボロな出で立ちだった。そのうえ、まるでなにか恐ろしいものに追われているかのように皆、必死な形相を浮かべながら、馬にしがみついていた。
やがて、盗賊たちの中心にいた男が――盗賊たちの頭目の男が号令を出した。
「止まれ」
その号令に盗賊たちは従い、馬を止めさせた。それから、皆恐怖に引きつった表情を浮かべながら頭目の男ににじり寄った。
「どうして止めるんだ」
頭目ににじり寄っていた男の一人がそう叫んだ。すると、頭目は肩を大きく動かしながら、答えた。
「このまま駆けさせていたら、馬が潰れちまう。そうなったら、あいつらから逃げることなんてできやしねぇ」
頭目の言葉に男は冷静さを取り戻したのか。頭目にわびた。
「気にするな……俺だって、できることなら、もっと遠くまで逃げたい。だが、馬のことを考えるとこれ以上駆けさせられねぇ。
どこか、適当な場所を探して、馬を休ませるぞ」
頭目が馬から降り、手綱を持ち、馬を引きはじめた。すると、他の盗賊たちも皆同じように馬を引き、歩き始めた。
そうして、歩き始めてからしばらくして、大きな森が見えてきた。
「よし、あそこに身を隠すぞ」
頭目の言葉に他の盗賊たちは皆頷き、頭目の後を追うように森の中にと入っていった。やがて、森の中を進み始めてから数刻が経ったとき、目の前に泉が湧いていた。
「ここで休むか」
頭目は足を止め、近くにあった大きな岩に背を預けた。すると、他の盗賊たちも思い思いの場所で休みはじめた。……皆一様に疲れ切った表情を浮かべながら。
その表情を見て頭目は「仕方がないか」と思った。
事実、帝国ベル力で特に勇猛果敢で用兵の巧みな五人の武将に与えられる称号である五豹将(ごぴょうしょう)の候補にまであがった自分ですら、あの紅い騎兵たちには恐れをなしてしまっていたのだから。
だから、自分以外の者たちが――あの「軍神」の初陣の際の敗残兵のベル力兵たちがあの二百の騎兵たちにおそれを抱くのは当然だった。
「「軍神」高町士郎、か……」
頭目はそう呟きながら、「軍神」の初陣で活躍した「白騎兵」と自分たちを容易く蹴散らした紅い騎兵の動きを頭の中で比べた。
「……似ているな」
そう呟きながら、頭目はまぶたを下ろそうとした、そのとき。
「と、頭目! や、やつら――がぁっ!」
他の盗賊の悲鳴が聞こえてきた。頭目は視線を悲鳴の聞こえた方に向ける。すると、そこには紅い軽装の鎧を身につけた二百の騎兵たちがいた。
「……やはり、ここに逃げたか」
紅い騎兵の先頭の男が――口元だけを出した紅い兜と同じように紅い鎧を身につけた男が呟いた。呟きだったからか、よく聞き取れなかったが、声は高かった。しかし、まだ、声変わりのしていない子供とは思えない。
「お前は何者だ」
頭目は岩に背を預けたまま先頭の男を睨みつけた。すると、男はひどく冷淡な声で答えた。
「貴様らを狩る者だ」
男は手を上げた。すると、騎兵たちは各々の武器を取り出し、構えた。同時に。頭目はすっと立ち上がった。そして――
「俺は帝国ベル力元帥パルマ・クライスト・ベル力が元幕僚ガルザ・クラインだ。……俺の首をやる。だから、他の者は助けてくれ」
頭目は――ガルザは己が剣を抜き、それを男に差しだそうとした。すると、
「……なるほど、やはり、貴様はあのガルザ・クラインか。父の初陣で総大将をしていたバルハ・クラインの息子だった」
「父? ……まさか、貴様は「軍神」の――」
「そうだ。俺は、「軍神」高町士郎の忘れ形見だ」
男の言葉にガルザは素直に納得した。
「そうか……お前は、いや、あなたは「軍神」殿のご子息か。ならば、その剣は「護国の剣」の一つ「紅石」と見た。……ならば、首を取られても文句はありません。
むしろ、我が父バルハの首を狩ったその剣こそが俺の首を狩るにはふさわしい」
ガルザはその場に跪いた。すると、男は乗っていた馬から降り、「紅石」を抜きはなった。そして――
「わかった。ならば、その首を貰おう……さらばだ、ガルザ・クライン殿」
男は「紅石」をまっすぐに掲げて、振り下ろした。だが、一向に首と胴体が離れる感触がやってこなかった。ガルザは恐る恐ると自分の首に手をやった。
「勇士ガルザ・クラインは死んだ。今、俺が殺した」
「……なぜだ。なぜ、殺してくださらぬ」
「あなたに俺と共に戦って欲しいからです」
「誰と?」
「「戦乙女」プレシア・テスタロッサ」
「あの、「戦乙女」と。だが、俺ではあなたの足を引っ張るだけだ。俺はもうすぐ五十に手が届く。……老兵でしかない」
「ガルザ殿。俺は、いや、私はあなたの力が欲しい。盗賊に堕としてしまったとはいえ、二十年以上も一千ものの兵たちを変わらぬ統率力で率いてきた歴戦の勇士の力が」
「……俺を、いえ、私を必要だと言ってくださるか」
ガルザは思わず、涙を流した。「軍神」の初陣から二十年以上の時が流れた。その間にパルマ元帥から預かっていた一千の兵を盗賊にと堕としてしまった。
だから、もう祖国には帰れない。そう思っていた。そんな自分を必要だと言ってくれた。そのことがガルザには堪らなく嬉しかった。
「わかりました。このガルザ・クライン。あなたを主君として従いましょう」
「ありがとう、ガルザ。言い忘れていたが、ここに訪れるまでに倒したあなたの部下は全員生きている」
そう言って、主君となった男は降りた愛馬に近づいていく。その背をガルザは呼び止めた。
「お待ちください。あなたの、あなたのお名前は」
「……今はナノハ・アルハザードと名乗っています。が、本当の名前は違います。私の名前は――」
主君は兜を脱いだ。すると、艶やかな亜麻色の短髪の少年が、いや、少女が現れた。その姿にガルザは息を呑んだ。
「私は高町なのはです」
そう言って微笑む少女――高町なのはにガルザは頷き、そして忠誠を誓ったのだった……。
つづく
はい、以上です。いやぁ、始まりました。第一部。そして、開始早々さっそくオリキャラ連発です。でも、それでもOKだと言ってくだされば、幸いです。というところで今日はこの辺で。では、また。
テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学
理由が悲しいのがあれですけど・・・
やっぱりプレシアさんと対決してしまうんでしょうか?
楽しみに次回も待たせてもらいます^^
あと、バトン受け取りました。
(キャラ連想で自分がリンディさんだった事に軽く驚きましたw)
時間がある時にさせてもらいますね。
まずは、ご退院おめでとうございます♪ お元気そうでなによりです。
さて、なのはさんは強くなりました。まぁ、プレシアママンの想い通りに。
悲しい理由で、ですが。
そうですね……プレシアママンとは、いずれ、ね。
はい、これからも応援よろしくお願い致します。
あははは、バトンはアレです。ふぃーりんぐで(視線そらし
あ、はい。いつでも、どうぞ〜。
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