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DATE: CATEGORY: お嫁本編
 こんばんは、すいもうです。
 あかん、めっちゃ遅いΣ
 というわけで、早速UPです。
 明日の更新もたぶん遅くなるかもですので←汗


 異彩は、なにを見るのか~揺れる心~ 三百十六話「ひどくて、愛おしい人」

 本当にひどい人。
 本当にこの人はひどい人だ。すぎるくらいにひどい人。でもそんなひどいこの人を私は愛していた。いや、愛している。
 自分でも安いとは思う。ほんのわずかな言葉を捧げられた程度で、死のうとしていた心が救われていく。言葉ひとつで考えを改めてしまう自分が、とても安っぽく感じられる。けれどそんな私でもこの人は安くないと言ってくれた。
「──アインハルトは安い女じゃないよ。私にとって最高の女だよ。だからこそ生きて。私の隣をこれからも歩いてほしい」
 ヴィヴィオさんの言葉。捧げられた言葉はとても嬉しい。嬉しいけれど、どうしていいのかがわからない。頷いていいのかもわからない。
 ただ涙だけが頬を伝っていく。頬を伝う涙を拭うこともできずに、ヴィヴィオさんを見つめる。ヴィヴィオさんはそっと顔を近づけて来る。ダメと言って、ヴィヴィオさんを押そうとした。
 けれど押そうとした手を取られてしまった。どさりという音とともに組み伏されてしまう。目の前には、私とは色合いの異なる異彩の瞳。私たちはお互いに異彩の瞳を持っていた。ベルカの血筋。王家の血筋を表すもの。
 胸が高鳴る。この身はかつての覇王の記憶を受け継いでいる。しかし私はかの覇王とは違い、女だった。なんの因果かヴィヴィオさんもまた聖王女のクローンとしてやはり女性として生を受けた。お互いに女性。本来であれば恋仲になることなどありえなかっただろう。
 でも私はいまこの人を愛している。女性だからとかそういうことはどうでもいい。ただこの人を、この人が愛おしい。
 この胸の想いはとても大きく、そして強い。そんな胸の想いに突き動かされるように私はいままで生きてきた。そしてそれはこれからも変わることはない。
 この人が隣を歩いてほしいと言うのであれば、頷こう。この人が望んでいるということもあるけれど、それ以上に私自身がこの人の隣を歩いていきたいから。
「……アインハルト」
「なんですか?」
「キスしてもいい?」
「さっきもしたじゃないですか」
「足りない」
「……そうですか」
「怒った? それとも呆れた?」
「どっちだと思いますか?」
「どっちだろう?」
 ヴィヴィオさんがくすくすとおかしそうに笑う。その笑顔に私も笑顔で返した。ひさしぶりに笑えた。なんのこともないことだというのに、私は笑えていた。笑いながら、私はそっとまぶたを閉じた。ヴィヴィオさんがありがとうと言う。軽やかな音。頭の中に響く音を聞きながら、腕を回す。ヴィヴィオさんはなにも言わない。なにも言わないまま、唇を割り開く。おおよそ病室では聞こえるはずのない音を耳にしながら、私はされるがままに、愛おしい人との口づけを交わしていった……。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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