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DATE: CATEGORY: お嫁本編
 こんばんは、すいもうです。
 そういえば、明日はコミ1の日ですねぇ。
 コミ1には参加したことないので、いつかは参加したいなぁと思います。
 まぁ、そのためには、仕事を変える必要性がありますが←汗
 まぁ、それはさておき。
 今回は、のあっちさんです。
 最後に狸さんが爆弾を投げます。
 どういうことなのかは、追記にて。
 では、お黄泉ください。


 夢、吹きすぎし~月想う~ 百二十一話

 ようやく終わった。
 長い、長い話だった。まぁ退屈はしなかったけれど、ボクにとっては重要ではない話だった。けれど興味深い話でもあった。
 だから黙って話を続けさせた。その気になれば、あの世界のお父さんなんて、すぐに元の世界に戻すことはできる。けれどあの世界にも、まだボクが産まれる可能性が残っていた。かなり低い確率だろうけれど、それでも可能性があることはたしかだ。だから可能性が低くても、ボクのお父さんとなる可能性のある「八神はやて」を邪険に扱うことはできなかった。
 まぁそもそも「八神はやて」という人を邪険に扱うことはできない。なにせボクにとっては、「八神はやて」という人は父親なのだから。たとえボクが産まれない世界であったとしても、それは変わらない。「八神はやて」という人がいるのであれば、その人がボクのお父さんであることに違いはないのだから。
 まぁそもそもボクが「ボク」であるということ自体、ちょっと疑わしいことではあるのだけど。なにせ、ボクという存在は、「八神エレノア」が産まれたと同時に生じた。つまりボクが「八神エレノア」である、と言ってもいいのだけど、さすがに素直には頷けない。
 なにせボクにはあまりにも知性がありすぎる。魔法の力だってありえないほどに強い。それでもお父さんたちとは比べるほどもないのだけど、それでも産まれたばかりの赤ん坊にしては、ありえないほどの力を持って産まれてしまっている。それはきっとほかのふたりも同じことなのだろう。ほかのふたりがどう考えているのかは知らない。
 けれどボク同様に、「ボク」たち自身を疑わしく思っている可能性はあった。もっともあくまでも可能性であり、ボクのように「ボク」たち自身を疑わしく思っていない可能性もある。その場合、ちょっと考えなさすぎじゃない、と思わなくもないけれど、それはそれ。その人その人の考え次第だとは思うけどね。
 まぁ、それはいいんだ。ほかのふたりがなにをどう考えようと、ボクにはどうだっていいことだし。ボクにとって大切なのは、ボク自身の正体と、お父さんの在り方だった。
 お父さんは、さっき言っていた。いずれ兄さんをきちんと愛せるようになってみせる、と。それはこれから先兄さん同様に、お父さんとはまるで似ていない弟妹たちが産まれたとしても、時間がかかっても必ず愛せるようになる、という宣言である。お父さんはなかなかに熱血漢さんのようだ。そういう人は嫌いじゃない。まぁそもそもボクの父親に当たる人なのだから、嫌いになりたくても、そう簡単には嫌いになることはできないだろうけどね。「あの人」が、血のつながっていない「あの方」と、手探り状態の中、徐々に本当の親子になっていたように、親子ってそう簡単には嫌い合うことはできないんだよね。
 って、よくわからないことを言っちゃったな、ボク。そもそも「あの人」って誰よ、と話だよ。ボク自身に突っ込んだところで、意味なんてないだろうけれど、突っ込まざるをえないのだけどね。
 まぁそれもいいや。深く考えても意味はなさそうだし。っていうか、情報が少なすぎて、判断に困るだけなんだけどね。
 とにかく。いま大事なのは、ボクとお父さんとの決着だった。お父さんは迷いなく、ボクを見つめている。そのまなざしはとても力強い。さすがは、毎晩お母さんとプロレスごっこしているわけじゃないね。ただなんであんなことをしているのか、いまいち理解できないけれども。というか、なんの意味があって、ああいうことをしているんだろうね。産まれたばかりだからか、知識が足らなくて、お父さんとお母さんがしていることの意味が、いまいちわからない。この場で聞いてもいいんだけど、そうすると、お父さんが確実に慌てるのが目に見える。慌てるようなことをするなよ、と言いたくなるけれど、それを言うとお父さんがかわいそうだから、あえて言わない。言ったところで意味はなさそうだし。
「鋭い目をしているね、お父さん」
 くすくす、と笑いながらお父さんを見やる。お父さんの目の鋭さは変わらない。変わらずにボクを見つめてくる。ちょっと怖いくらいだ。けれど怖がったら、お父さんの思うつぼの可能性もある。ここは平然としている方がいいだろう。そっちの方がカッコいいという理由もあるけどね。
「鋭くもなるもんや。娘とはいえ、決着を着けなきゃならん相手の前やからね」
「ふぅん。まるでライバルを前にしているみたいなセリフ、だね」
「ライバル、か。まぁ言いえて妙かもしれへんね。でも少なくともあたしは」
 あんたをライバルとは思ってへんよ。思う必要もない。そう吐き捨てるように言ってくれる。なんか言っていることひどくないかな? っていうか、これ完全に敵対する相手に言うことだよね。かわいい娘相手に投げ掛ける言葉じゃないよなぁ。ちょっと怒らせすぎちゃったのかな。無理もないとは思うけど。それにしては、怒りすぎな気もしなくはない。
「怒りすぎじゃないかな? お父さん」
「怒る? 怒ってへんよ。あたしはただ本当のことを言っているだけや。っていうかな。そろそろ」
 お父さんと言うのをやめてくれへんかな? 偽物さん。お父さんははっきりとそんなことを言ってくれた。その言葉にボクは唖然となってしまうのだった……。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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