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DATE: CATEGORY: お嫁本編
 こんばんは、すいもうです。
 さて、今日は最近では、ちょい遅めですね。
 まぁ、日付変更ちょい前よりかは早いですが。
 まぁ、それはさておきです。
 今回は、パパンです。
 ですが、苦労します。
 どういうことなのかは、追記にて。
 では、お黄泉ください。



 お嫁フェイトさん日記~お母さん、怒っているの?~・中編‐12

「──つまりお母さんは、熱を出したせいで、まともに考えることができなくて、感情のままに突き動かされちゃったってこと?」
 かつてフェイトちゃんのしてしまったことを、話し終えると、クレアは驚いた顔でそう言った。驚くのも無理はない。なにせクレアの言った通りなんだ。フェイトちゃんは、熱のせいで、暴走してしまった。その結果がクレアを叩くということに繋がった。
 言葉にすれば、その程度のことだ。聞く人によれば、やはりその程度のことか、と言われることだろうと思う。けれどフェイトちゃん本人にしてみれば、その程度のことでは済まされない。彼女にとって、子供を叩くというのは、許されざることだった。だからこそ、フェイトちゃんは、クレアを叩いたことで傷ついてしまった。そして、そのことをいまだに許せないでいる。本当に私の奥さんは不器用すぎる。
「まとめると、そうなるね。気にすることじゃないとお父さんは思うんだけど、お母さんの場合は、気にしてしまうんだよね、困ったことにさ」
「そうだよね。フェイトママってば、昔からそうだもん。フェイトママが悪くないことだって、自分のせいにしちゃうし。もっともそういうところも私は好きだけど」
「コラ、ヴィヴィオ。それは私のセリフだよ。そういうことを言っていると、アインちゃんに告げ口しちゃうよ?」
「ちょ、勘弁してよ、なのはパパ。アインハルトさんったら、そういうことを言うとすぐにヤキモチ妬いちゃうんだから。まぁ、ヤキモチ妬いてもどうにか組み伏して、機嫌を治させるけれど」
 ヴィヴィオは慌てながらも、しっかりと惚気てくれる。ただはやてちゃんの顔が呆れたものになっているのを見る限り、はやてちゃんにとっては、いまのヴィヴィオの発言は惚気には入らないようだ。そういう感性は人それぞれのものだから、違っていたとしても、気にするつもりはないけど。
「まぁ、ヴィヴィオの惚気話は置いておくとして」
「いや、いまの惚気とちゃうやろ。っていうか、ほんまなのはちゃんに似てきよったなぁ、ヴィヴィオは。外見はちゃうけれど、中身なんかなのはちゃんそのものやん。嫁さん大好きなところとか、よう似とるし、言動もそっくりやわぁ」
「ちょっと待ってよ、はやてさん。私をこんな色ボケと一緒にしないで」
「そうだよ、はやてちゃん。私をこんな自重できない娘と一緒にしないでよ」
「親子で似たようなことを言うところとか、ほんまそっくりやなぁ」
 はやてちゃんは、呆れながらそんなことを言ってくれる。マネするなと、ヴィヴィオに言いたい。言いたいところだけど、ヴィヴィオもまた同じことを言いだしかねない。ここは我慢しておくべきだろう。
「と、とにかく。お母さんは、お母さんのせいと言えないことでも、すぐに自分のせいにしちゃう人だから、その時も自分のせいにばかりしていたんだ。あまり自分を責めすぎると、クレアが傷ついちゃうよ、って言ってようやく口にはしなくなったけどね」
 そう、クレアが傷つくと言って、フェイトちゃんはようやく口にはしなくなった。ただでさえ、娘を叩いたことを気にしている彼女に対しての切り札とも言える言葉だったことは間違いない。とはいえ、それで口にはしなくなっただけで、それ以降も自身を責め続けていたことは、まず間違いない。それが私の妻である高町フェイトという人だから。本当に世話が焼ける、かわいい奥さんだ。そしてそんな奥さんにとことん惚れぬいてしまっているのだから、私も存外にどうしようもないと思う。
「でも、口にしなくなっただけで、思ってはいたんじゃないかな?」
 クレアが恐る恐ると尋ねてくる。やっぱりクレアもわかっているみたいだ。それは口にしていないけれど、はやてちゃんやヴィヴィオもまた同じ意見だろう。この場にいる全員がフェイトちゃんとは長い付き合いなんだ。彼女がどういう人なのかくらい、みんなわかっている。わかっているからこその、クレアの言葉だった。
「口にしない限り、お父さんにはどうすることもできないよ。お母さんもわかっているから、あえて口にはしなかった。ずっと責め続けてきたと思う。お母さんらしいな、とお父さんは思うけどさ」
「……お母さんのせいじゃないのに」
「うん。お母さんのせいじゃない。かと言って、クレアのせいでもない。あれはたまたまだった。たまたま悪いことが重なってしまった。それだけのことだよ。でもそれだけのことなのに、お母さんは納得してくれない。本当に困ったお母さんで、困った奥さんだよ、お母さんは」
 ため息交じりに言うと、クレアはなにか言いたげな表情を浮かべる。けれど、なにを言っていいのかがわからないのだろう。なにも言えずにただ黙り込んでしまう。悪いことをしてしまったかな。そう思っていると、クレアは意を決したのか、まじめな表情になった。
「お父さん」
「うん?」
「私、お母さんとお話してくる」
「へ?」
「だから、今日は帰るね」
 そう言って、クレアは席を立とうとする。でも、そんなクレアの手を慌てて掴んだ。
「お父さん、離して」
「離してじゃないよ。館内放送を聞いていなかったのかな? 今日は帰宅しないようにって」
「そんなの知らないもん。私はいますぐにお母さんとお話をしに行かなきゃダメなの」
「ちょっと落ちつこう、クレア。そんな剣幕で行っても」
「それでも行くの」
 クレアは頑として私の言うことを聞かない。こういうところは私に似てしまったのか。それともフェイトちゃんに似てしまったのか。いまいち判断しづらいところだ。
「とにかく、私は行くよ。離して」
「だから、落ち着きなさい」
「はーなーしーて!」
「ダメだって言っているんだよ」
 怒りという意味ではなく、頭に血が上ってしまっているクレア。そんなクレアを私はどうにか諌めることになった……。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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