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DATE: CATEGORY:中編:なのは様、嫉妬す(R-18)

 こんばんは、すいもうです。
 さて、本日は、パパン視点です。
 ついでに、いじめられています。
 誰のことなのかは、追記にて。
 では、お黄泉ください。


「ごちそうさまでした」
 最後まで食べていたエレノアが手を合わせて言った。
 エレノアの前には、オムライスのソースだったビーフシチューを別途に注いだ皿が置かれている。
 皿の中身はすでになく、エレノアの体に、はやてに似て、小柄な体にすべて収まってしまっていた。
 正直、よく入るなぁと思う。
 もっとも、それを言うのであれば、愛娘のひとりであるクレアとて同じようなものだろう。
 しかし、エレノアの食べっぷりは、クレアに比べるとかわいいものである。
 むしろ、クレアが食べすぎだった。
 そのうえ、あれだけ食べても体型は変わらなかった。そう、いままでは。
 だが、いまやクレアの体系は変わってしまっていた。
 もっとも、変わったと言っても、多少お腹が出るようになった程度らしい。
 ただ、ここで油断すると、そのままずるずると太ることは容易に想像できた。
 そのため、妻のフェイトは、クレアにダイエットを命じたが、あろうことか、クレアは、フェイトの厳命だったダイエットを破り、義兄のクロノと義母のリンディと食事をしていた。
 それでは、痩せるものも痩せるわけがない。むしろ、よく現状維持できていたな、と呆れるばかりだ。
 そのクレアも、いまやバインドとロープで雁字搦めにさせられている。
 そして、その状態で、十数人は集まっただろう食事会の風景を眺めさせられていた。
 クレアにとっては、これ以上とない苦痛だっただろう。
 これで多少はクレアも懲りたことだろうな、となのはは思った。
 だが、これくらいで懲りるのであれば、苦労もしない。
 現に、以前も、黙って学校をサボってしまって、同じ極刑を執行されたというのにも関わらず、クレアは懲りることなく、ダイエットをサボってしまった。
 まぁ、クレアらしいことではあるけどね。
 ため息を吐きつつも、窓際に座る愛娘を見やる。
「ご飯、ご飯」
 虚ろな目で、こちらを見やるクレア。
 なんだか、性犯罪被害者のようにも見えなくはないが、実際に執行されたのは、今日の夕飯抜きという軽すぎる刑だ。もっとも、クレアにとって極刑ではあるのは、考えるまでもないことではあるのだが。
「シンシアのお母さん。今日もご飯美味しかったです。ごちそうさまでした」
 そう言って、いつのまにか、遠くに座っていたエレノアは、自分とフェイトのそばにまで来ていて、フェイトに向かって、行儀よく頭を下げた。こういうところの躾をちゃんとしているのは、さすがははやてだった。
 礼節と言われることに関しては、はやてはかなり口うるさく、子供たちに言っている。師弟という関係になった、ガザニアが言うには、礼節というものを、はやては小さい頃からずいぶんと口酸っぱく言ってきたようだ。実際、ガザニアは、苦笑いしながら、そういうところでは、厳しいんです、うちのお父さんと言っていたことがあった。その躾は、ガザニアだけではなく、その下の妹や弟にもちゃんとしているようだった。
「お粗末さまでした。エレノアは偉いね。すごくお行儀よくて、どこかのうちの娘とは大違い」
 くすり、とフェイトが笑う。エレノアは、数秒思考したあと、ぽんと手を叩いてから、クレアを恐る恐ると見やった。
「あー」
「うん、本当にお行儀悪くて困っちゃうんだよね、クから始まってアで終わる、どこかのうちの娘は」
 もうほとんど名前を言っているようなものだが、フェイトはにこにこと笑うだけだった。
 さすがのエレノアも苦笑いすることしかできずにいるようだった。
「クとレとアを使った名前の、どこぞのうちの娘よりも、エレノアの方が娘だったらいいのにね」
 クレアに対する追撃の手を緩めようとしないフェイト。クレアは、瞳はあいかわらず虚ろだが、表情は泣き顔になっていた。その姿は、プレシアに拒絶された時のフェイトを思い浮かべさせるが、あの時よりも、かなりましであるのは間違いない。
 さすがに、ちょっとやりすぎではあるが、クレアのことだから、明日になれば、けろっとしているだろう。それがわかっているからこそ、フェイトも追撃の手を緩めないのだろう。フェイトとて、クレアのことが憎いわけでも、嫌わっているわけでもない。お腹を痛めてまで産んだ、いや、お腹を痛めようと、痛めまいと、大切な娘だった。本心から嫌えるわけがない。
「ん~。でも、ボク、お父さんとお母さんの娘だから」
「うん、わかっているよ。そうだったらいいなぁって話だから。あ、そっか。エレノアもそのうち、うちの娘になるのか」
「お、お母さん!? な、なに言っているの!?」
 フェイトの冗談を真に受けて、エレノアは真剣に答えていた。そういう受け答えもまたフェイトには、愛おしいのか。にこりと笑いながら、エレノアの頭を撫でていると、不意に、シンシアを見やり、ぽんと手を叩いた。とたんに、シンシアは大慌てし始めてしまった。あー、やっちゃった。慌てるあまりに、やらかしてしまったシンシアにと内心合掌した……。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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