こんばんは、すいもうです。
さて、本日は、クールドライ視点ですね。
まぁ、いつも通りです←笑
どういうことかは、まぁ、追記にて。
では、お黄泉ください。
シャマル先生は、家に来てすぐ私とクレアお姉ちゃんの共同部屋に上がってきました。
「おはよう、シンシアちゃん。あまり元気そうではなさそうね」
冗談を言ってから、先生は、聴診器を使ったり、喉を見てくれたり、とお休みなはずなのに、きっちりとした診察をしてくれたんです。
その診察の間、私とクレアお姉ちゃんの部屋は、ひどく居づらかった。
というか、空気がひどく重くなっていました。
その重さには、シャマル先生は、辟易としていました。
というか、もうあきれ果てているのか、ため息を漏らすほどでしたが、それでも、一通りの診察をして、シャマル先生は診察結果を口にされたんです。
「……うん、完璧に風邪ね。ただ、喉の腫れもそんなでもないし、鼻声だけど、そこまで鼻も出てみたいね。そこんところは、どうかしら? シンシアちゃん」
「はい。ちょっとぼーっとしますけど」
幸いなことに、鼻は出ていませんでした。
ただ、鼻声にはなっていたので、もしかしたら、これから鼻が出始めるのかもしれません。
それに、頭がぼーっとするのもちょっと気になっていた。
シャマル先生は、二、三度頷くと、また口を開かれました。
「熱もあるようだけど、そこまでの熱ってわけでもないわね。微熱程度だし」
淡々と診察結果を口にしていくシャマル先生でしたが、そこで口にした「微熱程度」という言葉がちょっとまずかった。
というか、その言葉が、重苦しかった空気への、一種の引き金となってしまったのです。
「微熱程度!? なんですか、程度って! シンシアは、こんなにも苦しそうなんですよ! それを、程度? 程度ってそんな」
お母さんがヒステリックを起こしたかのように叫びました。
そして、叫ぶとすぐに涙目になってしまったんです。
そんなお母さんを、お父さんはそっと腕の中で抱きしめてあげていました。
「……シャマル先生。ちょっと言葉がひどくないですか? たしかに、七度台っていうのは、大した熱じゃないかもしれません。でも、うちのシンシアは、もともとそんな平熱は高くないんです。そのシンシアが、七度台になったんです。それは、果たして、程度で済むことなんでしょうか?」
お父さんは、そう言って睨み付けるようにシャマル先生を見やりました。お母さんはお母さんで、お父さんに抱きしめられながらも、涙目になってシャマル先生をまっすぐに見つめていました。
そんな親バカお父さんとお母さんの姿に、シャマル先生は、もう何度目になるのか、わからないため息を吐かれました。
「そうね。ええ、わかっています。そう、わかっているわ。なにせ、シンシアちゃんの主治医は私だものね。ええ、重々承知しているわよ。シンシアちゃんの平熱が低くて、七度台でも、それなりの熱だっていうのは、シャマル先生は、重々承知しています」
「なら、なんで、そんなひどいことを言うんですか」
それまで黙っていたヴィヴィオお姉ちゃんが言いました。
やっぱり、ヴィヴィオお姉ちゃんもシャマル先生を睨んでいます。
ただ、その隣に座っていたアインハルトお姉ちゃんや、座る場所がなくて、勉強机に腰掛けていたクレアお姉ちゃんは、呆れた顔をしていました。
風邪は万病の元って言うけどさ、なんで、この人たち、こんなにも大袈裟すぎるリアクションしているの、とふたりの顔には書いてありました。そして、その一方で、シャマル先生に対して同情的なまなざしを向けています。そのまなざしを受けて、またシャマル先生は、ため息を吐かれました。それから、大きく息を吸い込んで一言言われました。
「たしかに、風邪は、こじらせれば、ひどい病気になってしまうこともあるので、甘く見ることのできないものです。ええ、それはシャマル先生は、言われずともわかりきっていることです。なにせ、お医者様だものね。でもね?」
そこでシャマル先生は一区切りをつけると、ぷるぷると体を震わせはじめました。
その様に、あ、まずいと思いましたが、時すでに遅しでした。
「あなたたちは、大げさすぎです!!!」
シャマル先生の怒号が、部屋の中に、いや、家中に響き渡りました……。
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テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学
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