今回はちょっと季節──節分ネタです。ゆえにお黄泉ください。
なのは様、突破す
こんにちは、高町なのはです。
今日はフェイトちゃんと街にお出かけなのです。つまりデートです。なので、私はすごくウキウキしています。そのためか、いつも見慣れている街が輝いて見えます。しかし、一番輝いているのは──
「? どうしたの、なのは」
そう言ってフェイトちゃんは首を傾げます。その仕草に──
──フェイトちゃん、可愛すぎなの
と、思ってしまうのは無理ないと思うのです。だって、実際に私はフェイトちゃんに夢中なのですから。だから私は念話で──
『フェイトちゃんお仕置きしても良い?』
『ダメ』
と、つれない答えで返してくれるフェイトちゃん。
そんな答えを残念に思いながら、私は正面を見ました。すると私の目に一軒のコンビニが飛び込んできました。正確にはコンビニの垂れ幕に書かれている「恵方巻き」という言葉でした。私は瞬時に──
──使えるなの♪
そう思いながら、フェイトちゃんに話しかけました。
「ねぇ、フェイトちゃん。恵方巻きって知っている?」
「ううん、知らない……なのはは知っているの?」
フェイトちゃんのその言葉に私は内心喜びました。これで計画を実行できるからです。なので私は計画を実行することにしました。
「うん、知っているよ。恵方巻きって言うのはね……」
そう言って私は自分の恵方巻きの知識をフェイトちゃんに教えました。
その間フェイトちゃんは「そうなんだ」とか「なのはは物知りなんだね」とか「物知りななのはも……好きだよ」など言ってくれました。
その一言一言に私の理性が擦り切れそうになったのは言うまでもないと思います。……とにかく、恵方巻きについての知識をフェイトちゃんにあらかた教えてから最後に──
「あとね、恵方巻きをある方法で食べたカップルは末永く幸せになれるんだよ」
ということを教えました。……嘘じゃないですよ。ただ間違えただけです。
と私が思っていると──
「……どんな方法?」
フェイトちゃんは真剣な表情でそう聞きました。私はフェイトちゃんの表情を見て、内心ほくそ笑みながら、その方法を教えました。
それから所変わり、私の部屋のベッドの上で──
「……これ本当に噛み切っちゃダメなのかな?」
そう言って目の前にある恵方巻きを指差すフェイトちゃん。私は──
「うん、そうだよ。……だから、フェイトちゃん……噛み切ったりしないでね」
顔を俯かせて言いました。するとフェイトちゃんは私を抱きしめて──
「大丈夫。私は絶対に噛み切ったりはしないよ。なのはと幸せになりたいから」
そう言ってくれました。なぜフェイトちゃんがこんなことを言うかと言いますとさっき「途中で噛み切っちゃったカップルは幸せになれないんだよ」と教えたからです。……正直、フェイトちゃんに嘘を教えるのは心苦しいのです。でも、計画のためにはガマンするしかありません。
「……うん、ありがとうフェイトちゃん」
内心で自分を責めながらそう言いました。するとフェイトちゃんは体を離して──
「じゃ、そろそろ食べようか」
そう言って恵方巻きの片側を持ち口元まで運びました。私はフェイトちゃんの逆側を持って同じように口元まで運びました。それから──
「「いっせーのせ」」
同時に食べ始めました。このまま食べ続ければ、どうなるかおわかりですよね。そういわゆる「ポッキーゲーム」です。それを恵方巻きにしたてたのが私の計画なのです。……なのですが、なんともいえない後味の悪さを感じます。それは──
『なのは、私頑張るよ!』
念話でそう語りかけてくるフェイトちゃん。そんな彼女のひたむきさが私の胸を穿ちます。
『フェイトちゃん……もう』
『私は大丈夫! なのはが無理なら、私がなのはの分まで頑張るよ』
そう言って食べ続ける彼女の姿に胸の痛みを抑えることができなくなり、私は恵方巻きを噛み切り──
「もう良い、んんっ!?」
そう言いかけたところでフェイトちゃんが唇で私の口を塞ぎました。同時に──
『言わなくても良いよ。恵方巻きについて私知っていたから』
『……そうなんだ』
『うん。でも私もなのはに嘘ついていたから、おあいこだよ』
『でも……っ!』
『……じゃあ、私のお願いを聞いて。それでなのははなのは自身を許してあげて』
そう言って笑いかけてくれるフェイトちゃん。そんな彼女に私は──
『……なにをすれば良いの?』
『……キスして。不意打ちじゃない、なのはからの優しいキス』
『うん、わかったよ』
私たちは一旦体を離してからお互いを見つめ合い──
「「大好きだよ」」
そう言って唇を重ねました。それから私たちはベッドに沈みました。
終わっちゃうの
以上です。なぜ恵方巻きを選んだのかと言いますと作中にもあった通りコンビニの垂れ幕(?)を見たからです。まぁ、ポッキーゲームは前々から使おうと思っていましたのでちょうど良かったんですけど。
テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学
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